「半月板損傷で膝が痛い」
「半月板が損傷してるから手術しないと治らないんじゃないか?」
中高年で怪我をしたわけでもないのに、膝が痛くて半月板損傷と診断された場合には、手術の必要はありません。それは半月板が原因の症状ではないからです。
この理由について実際の症例から解説していきます。
この記事は、中高年で膝が痛くて検査をしたら半月板損傷と診断されて、手術しないと治らないんじゃないかと悩んでいる方のために書きました。
この記事の目次
症例)畑作業をしたら膝が痛くなって半月板損傷と診断された80代女性
いつもよりも長く畑作業をした翌日、朝起きると膝が大きく腫れていて、激痛で立ち上がれない。以前から膝の慢性的な痛みは時々あったがここまでの痛みではなかった。すぐに病院に行って検査を受けた。MRI検査の結果、
「半月板が擦れています。半月板損傷です」との診断。
手術ではなくリハビリに通っていたら歩けるようになった
先生からは、手術を勧められたが家族が年齢のことを考慮して、手術しない方向性を選択。膝に溜まった水を抜きながら、ヒアルロン酸注射、飲み薬で治療しながら、その病院のリハビリに通うことに。
1ヶ月も通うと、膝の痛みがありながらも1人で歩けるまでに回復。自宅での生活もできるようになったので、リハビリにも行かなくなったが、5ヶ月後には杖を使わなくても10分は歩けるまでに回復。
しかし、歩いてると太ももが1重くなってきて10分以上は歩けない、膝が曲がらないということを良くしたいということで当院に連絡をいただきました。
半月板は放ったらかしなのに何で良くなったの?
ここまでの経緯からおかしいということに気づきましたか?
病院では「半月板が損傷してるから痛い、手術した方がいい」と言われたにも関らず良くなっている。もちろん、半月板は損傷したら再生することはないとされている組織ですので、良くなった今MRIで検査をしたら同じように損傷しているはずです。
何で良くなった?
半年前の半月板損傷が痛みの原因ではなかったから。
半月板は損傷しても痛くない。これは解剖学的にも事実
半月板には痛みを感じる神経が存在しません。爪や髪の毛と一緒で切っても何も感じないし、損傷しても、擦れ合っても痛くありません。
これは検索しても出てくる事実です。
スポーツの怪我で半月板損傷になった場合にとても痛むのは、靭帯や筋肉など半月板以外の組織を痛めるためです。
痛みの原因は半月板損傷ではなく他が原因だった
この方に半月板損傷が見つかったのは、加齢が原因だと思われます。半月板は加齢に伴ってすり減ったり、変性するものだからです。
痛みの原因は半月板ではなく、他に原因があり、それが改善してきたから、症状も改善していったということがこの方のいつの間にか良くなっていった理由です。
下の動画で解説しています。